舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(85) 京都市内の学生野球サークル・メンバーV (三打目)
「カレホ」は京都地裁……の隣にある廃墟らしき建物を指さした。
そこは廃墟ではなく、商店。しかも、被疑者被告人に...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(85) 京都市内の学生野球サークル・メンバーV (三打目)
「カレホ」は京都地裁……の隣にある廃墟らしき建物を指さした。
そこは廃墟ではなく、商店。しかも、被疑者被告人に差し入れる品々を売っている商店。菓子パン、駄菓子、飲料水、服、布団もある。
もつとも、どれも値は、張る。
「逮捕された後に差し入れろ?」
布団を三セット差し入れてやろう。
しかし、「カレホ」はクビを横に振った。
「カレホ」は、自身の口元を指した。
首をかしげるしかない。
「カレホ」は、喋りにくそうに喋った。
「砂だら、けで、喋りに、くい」
カレーパンのカレーを吸って、口をすすぐのか?
ともかく、自転車を押して、被疑者被告人たち御用達の店の前に立った。長袖・長ズボン・長身たち、まるで岩人形。まるで岩人形。そんな化け物の近くにいては、感情が干からびてしまう。
「カレホ」、正式名称・カレーホリックは一品、選んだ。
(つづく)