舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(78 ) 元・警察官僚U(通称・パンケーキ) 三輪目
若い方の客は濃茶に口を付け、吸い切の音を立て、碗を置き、碗をパンケーキに渡す。
「濃茶は食べ物ですね。」
と...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(78 ) 元・警察官僚U(通称・パンケーキ) 三輪目
若い方の客は濃茶に口を付け、吸い切の音を立て、碗を置き、碗をパンケーキに渡す。
「濃茶は食べ物ですね。」
と涼しい顔。しかし、額には、汗。
パンケーキは、碗を手したまま、ケラケラと笑った。
「実はね、いつもより何倍も濃く点てたの。だから、バンケーキの種みたいだっだしょ。」
若い方の客も、老いた方の客も、苦笑い。
「大した根性ね。」と言うと、パンケーキは碗に差し出した。
「だから、
これ、差し上げます。」
若い方の客は目を丸くし、老いた方の客は悔し顔。
しかし、若い方の客は頭を下げた。
「お気持ちだけ、いただきます。」
「あら、そー。」と、ふくれるパンケーキ。
若い方の客は頭を上げ、パンケーキに頼み込む。
「教え子に、県警への採用を断られそうな者がいまして、その者をココで使って下さい。」
若い方の客は深々と頭を下げ、下げ続ける。
パンケーキは問うた。
「どうして、『採用を断られそう』と分かるの?採用結果はまだ出ていないでしょ?あなたの教え子さんなら、警察に入れるでしょ?」
(つづく)