舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(77 ) 元・警察官僚U(通称・パンケーキ) 二輪目
「無用の言葉です。」
と、パンケーキのお言葉。
「『結構なお点前です。』なんて言葉、どうしてこの世...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(77 ) 元・警察官僚U(通称・パンケーキ) 二輪目
「無用の言葉です。」
と、パンケーキのお言葉。
「『結構なお点前です。』なんて言葉、どうしてこの世にあるのでしょうか。」
老いた方の客は、縮こまるばかり。
しかし、茶席は続く。
呪いの碗は、老いた方の客から若い方の客へ、押し付けられる。
若い方の客は、
「神宮、菊に鋏を入れます。」
とだけ言って、濃茶に口を付け、盛大にむせた。
老いた方の客は、同情の目を向ける。
パンケーキは、ニヤリとしつつも、しかし、鋏の葉先のような眼を若い方の客に向ける。
「つまりは、どういうこと?」
「神宮は、皇室の人々を……絶縁する、そうです。」
「絶縁?」
「口先だけのことなのか、内実を伴うことなのか。まるで見当が付かない、
という三重県警からの報告です。」
「鏡を割らない限り、口先だけでしょうね。
天皇は担ぐ道具。もてはやして、己を高めるための道具。
それが、天皇にかしづくフリする連中の魂胆。」
パンケーキは、若い方の客を凝視する。
若い方の客は、
「神主の中には、鏡を割いて海に投げ捨ててしまえ、と血気盛んな者たちもいるようです。」
しかし、パンケーキは、若い方の客を凝視する。
「ちなみに、そのリーダー格はヨットと海釣りが趣味です。」
しかし、パンケーキは、若い方の客の手を凝視する。
若い方の客は悟った。
呪いの碗が待っている。
(つづく) https://amzn.to/2ZbUIJV