舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」 (67 ディレクターS(7ロール目)) 新人アナウンサーは、箱を待ったまま動かない「報道部長もどき」に、頭を下げ、絶縁状(包み紙付き)渡し、AD砂岡に叫ぶ。 「砂岡っ! ノベルティ持...
#小説 「 #天皇制最期の日 」 (67 ディレクターS(7ロール目)) 新人アナウンサーは、箱を待ったまま動かない「報道部長もどき」に、頭を下げ、絶縁状(包み紙付き)渡し、AD砂岡に叫ぶ。 「砂岡っ! ノベルティ持ってこい!」 へぇ、こんな声も出せるか……将来、報道部長のように化けそう。 ディレクターとして、指示を出す。 「Vは、荒編(あらへん)なし。  局に送り付けて。  送り付けたら、『珍品百選』の収録だから。」 報道部長に「お見舞い」してやる。 新人アナウンサーに一声「お見舞い」されたAD砂岡が跪いて、局のタオル(新品未使用・紙袋入り)を新人アナウンサーに差し出す。 新人アナウンサーは、牛刀の如き鋭いる目でAD砂岡を見下し、局のタオルを奪い取ると、赤子のような緩い目で「報道部長もどき」に局のタオルを差し出す。 「どうぞ、お使いください。」 報道部長もどきは、軽く頭を下げ、しかし、タオルを木箱に押し込む。 「貴重な品ですから。」などと恐縮しながら。額の汗、半端ないのに。 こんな報道部長候補やあんな報道部長と違って、ちゃんと、ねぎらうぞ。 「暑い中、お疲れ。  まだ、今日の収録はこれからだから。」 汗だくのカメラマン、がっくり肩を落とした。しくじった。 直立不動のまま動かない素人さん「報道部長もどき」に声を掛けた。 「ありがとうございます。  もう楽にして結構ですよ。」 「お気遣いなく。」 そうだ。木箱を指さして、尋ねた。 「これ、どうされますか。」 報道部長もどきは、切り出してきた。 「皇居まで、運んでください。道案内はお任せを。」 あ、厄介なことになっだぞ。 報道部長もどきは、切り込んできた。 「とりあえずバイクと一緒に、局まで。 バイクは中継車の屋根に。」と、箱を小脇に抱え、空いた手を革ジャンのポケットに…… ヤバい?
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(67 ディレクターS(7ロール目))
新人アナウンサーは、箱を待ったまま動かない「報道部長もどき」に、頭を下げ、絶縁状(包み紙付き)渡し、AD砂岡に叫ぶ。
「砂岡っ! ノベルティ持ってこい!」
へぇ、こんな声も出せるか……将来、報道部長のように化けそう。
ディレクターとして、指示を出す。
「Vは、荒編(あらへん)なし。
 局に送り付けて。
 送り付けたら、『珍品百選』の収録だから。」
報道部長に「お見舞い」してやる。
新人アナウンサーに一声「お見舞い」されたAD砂岡が跪いて、局のタオル(新品未使用・紙袋入り)を新人アナウンサーに差し出す。
新人アナウンサーは、牛刀の如き鋭いる目でAD砂岡を見下し、局のタオルを奪い取ると、赤子のような緩い目で「報道部長もどき」に局のタオルを差し出す。
「どうぞ、お使いください。」
報道部長もどきは、軽く頭を下げ、しかし、タオルを木箱に押し込む。
「貴重な品ですから。」などと恐縮しながら。額の汗、半端ないのに。
こんな報道部長候補やあんな報道部長と違って、ちゃんと、ねぎらうぞ。
「暑い中、お疲れ。
 まだ、今日の収録はこれからだから。」
汗だくのカメラマン、がっくり肩を落とした。しくじった。
直立不動のまま動かない素人さん「報道部長もどき」に声を掛けた。
「ありがとうございます。
 もう楽にして結構ですよ。」
「お気遣いなく。」
そうだ。木箱を指さして、尋ねた。
「これ、どうされますか。」
報道部長もどきは、切り出してきた。
「皇居まで、運んでください。道案内はお任せを。」
あ、厄介なことになっだぞ。
報道部長もどきは、切り込んできた。
「とりあえずバイクと一緒に、局まで。
バイクは中継車の屋根に。」と、箱を小脇に抱え、空いた手を革ジャンのポケットに……
ヤバい?