舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(66 ディレクターS(6ロール目))
新人アナウンサーは、上包みを取り去り、『絶縁状』を読み上げる。
「神宮は、カミと民(たみ)と共に在る。
されど、大行(たいこう)天皇、...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(66 ディレクターS(6ロール目))
新人アナウンサーは、上包みを取り去り、『絶縁状』を読み上げる。
「神宮は、カミと民(たみ)と共に在る。
されど、大行(たいこう)天皇、今上(きんじょう)天皇はカミに背き、民(たみ)を蹂躙(りゅうじん)す。」
流石、国文学科卒。
「されば、神宮は、今上天皇、皇族、旧皇族、その子孫を破門し、縁を断つ。
その証として、祭主(さいしゅ)、大宮司(だいぐうじ)を廃し、八咫鏡(やたのかがみ)を砕き、勅封を解いた。」
新人アナウンサーは、差出人たちの氏名・肩書を読み上げる。
神宮の宮司、皇學館の学長、教授。伊勢市市長、伊勢市議会議長も。
ん?
箱の中には、他にも書状が……まっ、いいか。
スケッチブックをめくり、指示「読み上げ、打ち切り」を書いて、新人アナウンサーに見せる。
が、新人アナウンサーは、差出人たちに目を落したまま。
だから、大声を上げた。
「もう、読むな。」
新人アナウンサーは、カンペとこのイラ顔に気付き、『絶縁状』を畳み、〆る。
「以上、現場からでした。」
〆め方で絞める必要アリ。
「はい、オッケー。」
ただし、新人アナウンサとAD砂岡以外は。