舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(50 「ピンク」と「坊主ヘッド」三)
電気工事屋そのものだ、と。
役員に、「ピンク」は白い目。
「坊主ヘッド」は冷めた目。
「検問で質問されたとき、電気工...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(50 「ピンク」と「坊主ヘッド」三)
電気工事屋そのものだ、と。
役員に、「ピンク」は白い目。
「坊主ヘッド」は冷めた目。
「検問で質問されたとき、電気工事に詳しい人が、必要です。」
役員は溜息。
「血筋、怖か……。
三人で乗り込む。準備しよう。さぁ、懐かしの作業着だ。」
役員は続けた。
「その長い髪は、纏めて。目立つから。」
「坊主ヘッド」は、自身を指さしていた。
役員は半笑いで「坊主ヘッド」に、
「違う」
と。
で、役員はスボンを履こうとしたものの、よろけた。「ピンク」が視界に入った。
役員は声を上げた。
「なして!」
ピンク色の長い髪が「ピンク」から、消えていた。
「ピンク」はスキンヘッドになっていた。
ピンク色の長い髪は、「ピンク」の手にあった。
「少し前に、明太子パスタを作ってた時に、髪が焼けて……」
小さい作業着を手に取った「坊主ヘッド」は、首をかしげた。が、淡々と作業着を着る。
すっかり仕上がった役員は、
「そげな……そら やおいかんな。」
「ピンク」は、ピンク色の長い髪を机に置きつつ、「たまがったやね。やけん、かみなー、切っとったら、ばり軽くてなー――」
しかし、「坊主ヘッド」は二人を嗜める。
「我々は、都内の電気工事業者です。福岡弁は――」
「博多弁!」と、博多弁話者二名の声が揃った。
三人の見た目はすっかり、電気工事屋そのもの。
(つづく)
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