舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」 (49 「ピンク」と「坊主ヘッド」二) 「聞賢者信 顕愚禿心 賢者信 内賢外愚也――」 「ピンク」も唱える。 「愚禿心 内愚外賢也。」 会議室の戸が開いた。...
#小説 「 #天皇制最期の日 」 (49 「ピンク」と「坊主ヘッド」二) 「聞賢者信 顕愚禿心 賢者信 内賢外愚也――」 「ピンク」も唱える。 「愚禿心 内愚外賢也。」 会議室の戸が開いた。 「なかなか良いハモリでした。」と、戸を開けた役員(身長190センチ、丸刈り)。 「坊主ヘッド」は憮然と、「ピンク」は洋々と褒め言葉に応じる。 「ピンク」と「坊主ヘッド」が入室。 戸は固く閉じられた。 机上には、電気工事用の作業服やヘルメットが数セット、禍々しいプロ感を醸し出す金属製の道具箱もある。 「ピンク」は役員に尋ねた。 「物とは、何?」 役員は窓の先を指さした。 皇居がある。 「あの中に行けば、分かる。」 「ピンク」は、門付近に並ぶ車両や小銃携えた警備員たちに気付いた。 だから、尋ねた。 「段取りは?」 「正面突破。」 「冗談でしょ?」 役員は、「ピンク」をなだめる。 「皇居には、業者の出入りが多い。」 「今も?」 「今日の早朝、御所の空調を故障させたから。」 「坊主ヘッド」も「ピンク」をなだめる。 「今朝から、空調工事名目で二人、あの中に入ってます。その応援として、我々三人が入ります。」 「ピンク」は納得した。 しかし、役員は驚いた。 「なして?」 「坊主ヘッド」は役員をなだめる。 「発案者張本人、だからです。 そもそも、この中で、電気工事経験者は……一人だけですよ。」 役員はゴネる。 「実家の手伝い。バイト。それだけだよ。」 「坊主ヘッド」は道具箱から道具を一つ取り出して、「これは何ですか。」 「タタックナイフ」 「坊主ヘッド」は別の道具を取り出して、 「これは?」 「圧着工具」 「これは?」 「ダクトレンチハンマー」 「これは?」 「低圧用検電器」 役員は気付いた。 低圧用検電計https://amzn.to/3u27FBD
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(49 「ピンク」と「坊主ヘッド」二)

「聞賢者信 顕愚禿心 賢者信 内賢外愚也――」
「ピンク」も唱える。
「愚禿心 内愚外賢也。」
会議室の戸が開いた。
「なかなか良いハモリでした。」と、戸を開けた役員(身長190センチ、丸刈り)。
「坊主ヘッド」は憮然と、「ピンク」は洋々と褒め言葉に応じる。
「ピンク」と「坊主ヘッド」が入室。
戸は固く閉じられた。
机上には、電気工事用の作業服やヘルメットが数セット、禍々しいプロ感を醸し出す金属製の道具箱もある。
「ピンク」は役員に尋ねた。
「物とは、何?」
役員は窓の先を指さした。
皇居がある。
「あの中に行けば、分かる。」
「ピンク」は、門付近に並ぶ車両や小銃携えた警備員たちに気付いた。
だから、尋ねた。
「段取りは?」
「正面突破。」
「冗談でしょ?」
役員は、「ピンク」をなだめる。
「皇居には、業者の出入りが多い。」
「今も?」
「今日の早朝、御所の空調を故障させたから。」
「坊主ヘッド」も「ピンク」をなだめる。
「今朝から、空調工事名目で二人、あの中に入ってます。その応援として、我々三人が入ります。」
「ピンク」は納得した。
しかし、役員は驚いた。
「なして?」
「坊主ヘッド」は役員をなだめる。
「発案者張本人、だからです。
そもそも、この中で、電気工事経験者は……一人だけですよ。」
役員はゴネる。
「実家の手伝い。バイト。それだけだよ。」
「坊主ヘッド」は道具箱から道具を一つ取り出して、「これは何ですか。」
「タタックナイフ」
「坊主ヘッド」は別の道具を取り出して、
「これは?」
「圧着工具」
「これは?」
「ダクトレンチハンマー」
「これは?」
「低圧用検電器」
役員は気付いた。

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