舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(44 ハッカーPの場合(六口目))
「仕掛けA」からの反応。発信は慶大内から。まさか、古巣に帰った?
さて、返信する。
『その方法は、実行可能な方法なのか』...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(44 ハッカーPの場合(六口目))
「仕掛けA」からの反応。発信は慶大内から。まさか、古巣に帰った?
さて、返信する。
『その方法は、実行可能な方法なのか』
あの陰険は、頼んでもいないのに、皇居内ネットワーク「侵攻」を実況中継し始める。
だから、学内で生き残れなかった。
バーコードに電話連絡。
「『仕掛けA』動かしてます。じきに、奴の場所、割れます。」
「にわかせんべいのお面、被った奴が届けてくれるのか?」
「メーーールで、です。」
で、電話をつないだまま、「仕掛けB」を、動かす。
あの陰険は、ずっと十秒毎にキー配列変更に見舞われ続ける。
バーコードはぼやいた。
「面倒だなぁ。」
ぬくい風が額を撫でた。
バーコードを軽く諭す。
「連絡入れるだけですよ。」
しかし、バーコードは、
「やおいかんなぁ。」
と福岡弁。
バーコードの福岡弁モードは、本気で嫌がってるとき。
カブトムシが視界を横切った。
陰険による実況中継が止まった。
バーコードは放った。
「後は任しぇた。」
こうなったら、どうにもならない。
なので、
「にわかせんべい、頼みますよ」
と。明太子の恨み、忘れとらんから。
バーコードは
「はよせれー。」
と言い、電話を切った。
画面の右側は、SE部屋の監視カメラ映像。バーコードがキレッキレに、張り切っている。そして、背筋がピン、と伸びている。
さすが、慶大中退、防大卒。
長い脚にヒヨドリが止まった。
この脚から、蜜は出ませんよー。
……気に入られてしまった、らしい。
しばらくは、動けそうにない。
なので、画面の左側で、いつものコーディングを始める。
風が吹く。
昨日とは違う風。ワクワクする風。
(つづく)
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