#小説 「 #天皇制最期の日 」 (41　ハッカーPの場合(三口目)) 徒歩で帰宅する間に食欲は戻った。 夕食は、夏野菜の冷鮮パスタ。約八割が野菜の。皿洗って、シャワー浴びて、全部洗濯機に叩き込んで、十時過ぎに就寝。 で、今日。 四時に起きれば、「天皇陛下が本日未明、吹上御所で、意識不明に……」という、どうでもいい速報。 その後、林檎一つかじりながら、論文の読み込み。それから、七時に朝食。 いつものシリアル＋ソイプロテインに、豆乳。冷凍ブルーベリーとアボカド一個を添えて。シリアル皿(元・大型犬エサ入れ)を洗い、軽くストレッチ。 それから、肌着を付け、服を付る。 服の主目的は、身体保護。 建物は、巨大な身体保護装置。 ならば、建物内で服を着るは、屋上屋。 さて、八時……何分かに緊急招集(これも無視した)。 木目風迷彩色の電動折り畳み自転車からコンセントを抜き、組み立てて、いつもの鞄を肩から掛けて、本郷へ漕ぐ。 普段より、渋滞の長さが五割増し。 自転車使え、自転車。筋肉使え。ほとんどモーター頼みだけど。 で、本郷着。適当な木の幹に、自転車を括り付ける。迷彩色の本領発揮。 で、この木に登って、今に至る。 「なして今、サイバー攻撃?」 …… 「天皇の情報を探してる?」 ならば、医学系か。医学部の教授が難度も手術、手掛けていた。しかし、あの天皇、子作りに難儀してる。てれ いや、なら、何で、経済学部まで攻撃? そもそも、どこからの侵入? 「全くわからん。」 心当たりあり過ぎて、 「全くわからん。」 ホント、全く。 なので、ダークウェブを覗く。 (つづく) ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たちhttps://amzn.to/3nw0AIl