#小説 「 #天皇制最期の日 」 (38　准教授Oの場合(四つ目)。) だから、畳みかけた。 「明日は大混雑。荷物が手から離れるかも。」身体に巻き付ければ、済むことだけど。 相手は答えた。 「……海に、叩き落される。」 あっ、その手があったか。 相手は更に言った。 「地に足、付けろ。」 密売組織がそれ、言うか? いやいや、踏みとどまらねば。 相手に言い返す。 「警察が動き出している。」動かした張本人が言っているから、間違いない。「牢獄に叩き落されるよりは、マシ。」 「……好きにしろ。」 電話が切れた。 ホテルの電話で、コンシェルジュを呼び出した。フェリーと苫小牧までの移動手段を手配できるかどうか、問い合わせた。 どちらも、手配可。 「新幹線も飛行機も、止まっているのに、フェリーは動いているのですか?」 「フェリーは、時間が掛かりますから。明日、始発の新幹線に乗車する方が、関東各県に、早く到着できますから。 それに……福島沖を迂回しますし。」 納得。 なので、手配を依頼。一旦、電話を切る。 冷蔵庫からエナジードリンクを引っ張り出し、一気飲み。 さて、動くか。 ホテルの電話が鳴る。出る。 コンシェルジュから。 「取れました。一等個室です。」 おー、上出来、上出来。 「出航時間は19時。 　ですので、送迎ジャンボタクシーは16時半です。」 ……暫し、待機。 エナジードリンクの炭酸が、胃に堪える。 (つづく) モンスター アソート 20本飲み比べセット https://amzn.to/391pcQx