舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(37 准教授Oの場合(三つ目)。)
白い端末で電話を掛ける。
「先生、昨日はお世話になりました。髪の中から飴玉が何枚も出てきて、爆笑させて頂きました。……運休、そうですね...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(37 准教授Oの場合(三つ目)。)
白い端末で電話を掛ける。
「先生、昨日はお世話になりました。髪の中から飴玉が何枚も出てきて、爆笑させて頂きました。……運休、そうですね。困ったものです。……どうでしょうか、新幹線口近くのパンケーキ屋。美味しいらしいです。……お待ちしてます。」
白い端末で別の番号に掛ける。
「全線運休……そう、新幹線も。だから、代わりに届けさせるから。……そう、秋葉原駅の、いつもの場所。そこに、代わりを寄こすから。……そう、カネを持たせているから。特徴はカープの野球帽。……そういうこと。だから、よろしく。」
黒い端末で電話を掛ける。
「警視庁の通報窓口ですか。
ピンクの売人、TXの秋葉原駅ブラットホームの端、筑波側の端で売買。正午五分前。目印は、カープの野球帽。…」
黒い端末で電話を掛ける。裏声で。
「ピンク、欲しい。欲しい。欲しいから、TXの秋葉原駅ブラットホームの端に来て、カープの野球帽さん。」
そして、ビールを、
一本、
二本、
三本、
飲み干した。
少しぬるい。けど、まっいいか。
黒い端末に電話が掛かる。
「さっさと、物を元の場所に戻せ。」
「私服の警察官がうろついているのに?」
相手は何かに気付き、電話を切った。
黒い端末にまた、電話が掛かる。
「取引は続行。
ただし、輸送は明日。今日は――」
「苫小牧から銚子まで、フェリーが動いてますよ。」
勿論、ハッタリ。
相手は暫く黙った。
(つづく)
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