舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(27 K 最高経営責任者(CEO)の場合(No.3))
AI秘書が、至急の電話を待たせていた。
至急の電話に、ゆっくり出た。
今日何本目だろうか。東京の、あの会社...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(27 K 最高経営責任者(CEO)の場合(No.3))
AI秘書が、至急の電話を待たせていた。
至急の電話に、ゆっくり出た。
今日何本目だろうか。東京の、あの会社様からのお電話。
勿論、あのプロジェクトの。
「で、土地は確保できた?」
会社様は……言葉を並べ立てて、濁している。
「で! 土地は確保できた?」
しかし、返答ははっきりしない。
「ハイ、か、いいえ、で答えられる質問だっ。土地は確保できた?」
会社野郎は、
否、
と答えやがった。
「なんばしょっとねー!」
電話の相手は、言い訳を並べ立てた末に、援軍を要求。
「要は、カネを出せ、と?
そげなこと、言われても……」
下種な会社野郎は、意外な提案を繰り出してきた。
「つまり、皇居からモノを四つ、持ち出して、こっちで保管しろ、と。……そっちの護衛が付けば、出入りできるんだな? 」
……そうだ、取締役を使おう。
「ならば、東京にいる奴にできるかどうか、確認取るから。」
会社さんの電話を保留にして、取締役を電話で呼び出す。
しかし、出ない。
さて、どうしたものか……。
モノを運ぶくらいなら、大きい姉(慶大経済三年)でもできるだろう。
大きい姉を電話で呼び出す。
「……もし……もし?」
あつ、寝起きだっ。まずいなぁ。
「おはよう。頼み事が一つある。」
「……な……に?」
「皇居に行って、物を受け取って、こっちに運んでくれ。」
「……こう……きょ?」
「運んで来たなら……にわかせんべい、段ボール一箱……あの明太子も付ける。」
「にわかせんべい!」
大きい姉は食いついた。
「皇居に行って、物を受け取って、こっちに運んでくれ。そうすれば、にわかせんべいだっ」
「分かった分かった。……で、何をどうすれば?」
こんな奴を入学させた慶應義塾、大丈夫か?