舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(6、 D親子の場合(前)。)
六時、いつもの時間に目が覚めた。事務所のソファーで寝てしまっていた。相方と父は、床に転がって、大いびき。仲良く同じ空の酒瓶に頬ずりしてる。
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#小説 「 #天皇制最期の日 」
(6、 D親子の場合(前)。)
六時、いつもの時間に目が覚めた。事務所のソファーで寝てしまっていた。相方と父は、床に転がって、大いびき。仲良く同じ空の酒瓶に頬ずりしてる。
電話が鳴った。
出ると、都心の研究所からのお電話。懐かしい声、でも、少しお疲れ気味の声。
聞けば、IT機器の買取依頼……二トン車、必要な量。
一人では無理。パワードスーツ(妊婦も使える、はず)を駆使しても。
「社長にできるかどうか、聞くから、ちょっとだけ、待っててね。」と、保留ボタン。
相方は、商売と関係ない。
だから、社長を起こす。
「社長ーーーーーーーっ」
この一声で、社長はスッと起きた。もう商売人の顔。しかし、酒臭い上、依頼の事まだ知らない。
「どうしますか。」
「……何を?」
まあ、そう聞きたくなるよね。
なので、依頼内容を説明すると、
「……なんで、うちに?」
「昔、バイトでいた子。あの子が今、勤めてるところからの依頼。」
「……ばいと?」
「階段落ち無傷の子」
「ああっ、思い出した。思い出した。あの鈍臭くて、頑丈な……」
「膝がしょっちゅう笑ってた子」
「分かった。分かった。なら、受けよう……で、何で、こんな朝早くに?」
「倒産するそうです。」
「あー、そうかぁ……まぁ、そういうことあるよな。あいつ頑丈だから、何とかなる、なるっ……よっし、行くぞ」
「えっ?」
「妊婦一人に、行かせられるかよ。」
「……ありがと」
保留ボタンを押して、
「依頼お受けします。今から、そちらに向かいます……その間、少し仮眠、取れよ。元気ないぞ。」
(続きます)
#皇位継承 #天皇制 #祝い酒 #妊婦 #中小企業