舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(3、 B氏の場合(後)。)
社長はまた、聞く。
また、怒鳴った。
「ならば、お宅らが、内廷費から出すのが筋でしょ! PMC排除されない限り、納品なんかできませんよ...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(3、 B氏の場合(後)。)
社長はまた、聞く。
また、怒鳴った。
「ならば、お宅らが、内廷費から出すのが筋でしょ! PMC排除されない限り、納品なんかできませんよ。世界有数のライフサイエンス系技術者たちに身の危険があったら……」
普段はカミナリなのに、実はそう思っていてくれたのか。それにしても、長々と、しかも、スラスラと、罵倒言葉が出てくる出てく……社長が、黙った。
社長の顔が緩んだ。
「……お支払いを確認できれば、いつでも……PMCの手配は既に万全。」
社長以外の全員が、顔を見合わせた。PMCって、電話注文可、なのか?
「諸々、滞りなく……では。」
社長は電話を切った。深呼吸した。
そして、言った。
「支払い確認したら、このラボは、解散。製品は即時、処分。」
社外取締役が珍しく怒鳴った。
「なぜ、陛下を助けないのですか。」
「営利目的だからだっ!」
社長は更に言った。
「あの製品が知られれば、陛下を貴ぶ連中は、地獄より苦しい思いするぞ。そもそも、あ・い・つ、は……」
「止めてください!」社外取締役は叫んだ。
「もう……止めてください。」
社長は、社外取締役の肩を叩く。
「良ーく考えてごらんなさい。この十数年、誰のおかげで、天皇さんが生き続けられたか。君らが集めた資金に見合うだけの、働きを、このラボの全員が続けてきた。」
社長は社外取締役の肩を力いっぱい握る。
「なのに、感謝の言葉一つも、言えないのか。
それが、旧華族旧皇族の生き方なのか!」
社外取締役の肩は震えていた。
「……今まで、ありがとうございました。」
社長は手を放し、
「どういたしまして」
と一礼。
全員に向かって
「暫く、ラボ内で待機!」
あれ、今月の給料と退職金はどうなる?
ローン返済が苦しくなるなぁ……。
#皇位継承