舶匝(はくそう online_checker) on GETTR : #小説 「 #天皇制最期の日 」
(2、 B氏の場合(前)。)
八月某日の朝、いや、夜中三時半。緊急の呼び出しで、白金台のマンションから飛び出た。
予想は、していた。
ただ、今日だったとは……思って...
#小説 「 #天皇制最期の日 」
(2、 B氏の場合(前)。)
八月某日の朝、いや、夜中三時半。緊急の呼び出しで、白金台のマンションから飛び出た。
予想は、していた。
ただ、今日だったとは……思ってもいなかった。いや、思いたくなかった。
数分でラボに到着。勿論、医科研ではない方の。
ビリだったらしい。
会議室には、いつもの十数名に、久しぶりの社外取締役。会議は、既に始まってた。
「遅いじゃないか!」
ラボの社長の一喝、にしては、普段の圧がまるでない。生あくびの社長、その服は、昨日、いや、昨日一昨日と同じだ。
溜息一つ、最新の状況を確認する。
「出荷できない? なぜ? 」
「皇居の門、全部に張り付いてます。PMCの連中が」
と、語るは、一見ジョギング愛好家風の後輩。勿論、変装。長距離走は中高以来なのだろう。膝が笑ってる。
「他の皇族や旧皇族に紛れて―」という先輩の策は、
「あの方々は、陛下を大いに疎まれていらっしゃいます」と、霞会館会員でもある社外取締役が静かに、一蹴。
「特に、法曹のご夫妻一家は。
あんな状態の御所に、出向かれる方は、いらっしゃらないでしょう。」
社外取締役は、溜息をつく。
「皇室に復帰できる、といきり立つ方々も、いらっしゃいます。が……あのような状態では到底務まりません。」
社長の電話が鳴る。
社長は出た。
聞いた。
怒鳴った。
「ならば、なぜ門前に、皇宮警察ではなく、PMCがいる!」
(続く。きっと)
#皇位継承 #天皇 #天皇制 #医科研 #PCM #霞会館